都市生活者は金魚が亡くなった後どうするか問題。
冷え込みが厳しかったある日の夕方、金魚が亡くなった。
子どもはそりゃ悲しんだ。どこかに埋めるんだ、埋めてやりたいと言う。
しかし、結局は生ゴミとして回収されていった。
もちろん大人の独断ではなく、色んな方法とそれにまつわる懸念点を話し合い、全員了承の末での事だけれども、もしかしたらこれを読んだ方には「なんて、酷い事を。」
と思われてしまうのかもしれない。金魚に対しても、子どもに対しても。
家族間で意見の出た弔い方と、なぜ選択しなかったかの理由は下記の通りである。
1.土葬する
・実施可能なのは近所の公園くらい。
・よほど深く埋めないと、猫が掘り返す可能性が大。カラスも何かするかもしれない。
・悪臭発生のおそれ。
・公園以外もあるかもしれないが、そもそも所有者のない土地など存在しないし、どこに埋めようと、金魚に思い入れがある私たち以外から見ればそれは単なる不法投棄でしかない。
2.水葬する
・土葬と同様、不法投棄。
・もし細菌やウィルスを持って死んだとしたら、土葬以上にそこに生息している生物に悪影響を及ぼしかねない。自分たちの想いに囚われて、いま生きている命の事を忘れてはいけない。
・仮に水葬になんの懸念もない状態だったとしても、今時期は近所の水辺には鴨が飛来してきている。エサを与える人がいるらしく、人影を見つけただけで20以上の鴨が全速力で水を掻いて集まって来る。
そんな所に投入したとしたら...?
食するかどうかはともかく、とりあえずは大騒ぎで群がる事になるだろう。
そして、それが決して良い眺めではないという事は間違いない。
3.火葬する
・自宅キッチン以外に可能な場所などないし、いずれにせよ灰になるほどには出来ないだろう。荼毘に付した後、埋葬したいとなれば、その場所は土か水かになってしまう。
火葬が可能であれば園芸用土に混ぜ、プランターで花を育てる事も出来るのだろうが、さすがにそこまでやるのは、子どもの心に負担が大きいと思われる。
何も難しく考えずに、子どもの望み通り、こっそり公園にでも埋めてしまえばいいじゃない?
と言われそうであるが、我が家には近隣の環境に対して懸念があった。
タイトルには「都市生活者」と書いたが、
もう少し具体的に言えば、我々が暮している環境は「地方都市の住宅過密地域」である。
東京や大阪などのように、都市の規模としては大きくはない。
しかし、人間が所狭しと暮らしている。
大都会よりはきっとのんびりしているが、トラブルは当然それなりに起っている。
特に、動物や子どもが絡む事には皆敏感になりがちな印象がある。
結局生ゴミとしてしまったが、もちろんそのまま捨てた訳ではない。
ちょうどいい空き箱でもあれば良かったのかも知れない、あいにく無かったのと、箱をつぶさないのはマナー違反うんぬんとなっては意味が無いので、
アルミホイルにキッチンペーパーを敷き、
その上に好物でもあったマツモ少しと亡骸を置いた。
ホイルを閉じ、さらに紙(今回はペールグリーンの薄紙)でホイルを包み、
小サイズの半透明のビニール袋に入れ、口を縛って、居住している集合住宅のゴミ箱*1の中にそっと置いたのだった。
酷いと思われても仕方ない、というより、思われても構わない。
金魚という生き物は小さい命だけれど、何年も家族皆で愛してきた大きな存在だった。
でも所詮、我が家という小さな場所での話である。
それゆえに、広く外部に迷惑を及ぼす可能性を選択する必要も理由も全くない訳で、この弔い方が静かに別れを告げる事が出来る可能性の高い、唯一の方法だったという事である。
水草に新芽が出ていた。処分するのは可哀想で一応育てているけれど、
帰宅時は水槽を覗くクセがついているから、これがあると奴がいない事を実感するという、寂しい罠。
最後に、
金魚の様子がおかしいと気がついた後、どうにか持ち直してほしいと、色んなキーワードを検索エンジンに入力して情報を拾った。
手持ちの本には具体的な対処法は載っていなかったからだ。
結局、得た情報から選んだ食塩水やら薬やらヒーターやらの処置が適切だったのか、却って金魚にダメージを与えてしまったのかはわからない*2。
しかし、情報をweb上に置いて下さる方が多数存在していたのは非常に助かる事だった。
ありがとうございます。
ただ、失った後の事についての情報は少ない気がしたので、今回その旨を書いてみた次第であります。
長くなりましたが、いつか、どなた様かの為に役立てば嬉しいです。
また、ペットとなる生物の種類は数多くある。それぞれが亡くなってしまった場合の対処法がきちんと確立・認知されれば、もっと嬉しいです。